2016年4月22日金曜日

遺伝学セミナー2016のQ&A その1


やさしい「犬の遺伝学」セミナー2016にご参加頂いた方の中で、
時間切れで質問できなかった方には、アンケート用紙に質問があればご記入下さいとお伝えしました。

ご記入頂いた方の質問について、尾形聡子さん・アルシャー京子さんのお二人より
ご回答頂けたことについて、随時掲載してきたいと思います。


Q1:ガンドッグの音響シャイでテストに不合格になった犬はドイツではどうなりますか?日本では多くが捨てられます。

A1:ドイツに限らず国際的に行われている猟犬試験で銃声耐性で失格となった犬は繁殖許可が出ず、
また実猟にも使えないので、普通の家庭犬として飼われます。

猟犬のジュニア試験は生後1年前後で受けますから
少なからず試験を受ける前にすでに犬の性質を見る期間が充分あり、
試験を受ける以前にある程度の篩(ふる)い分けが出来るので、
ひどいガンシャイなのに試験に出されるということもありません。
また試験を受ける受けないに関わらずガンシャイの傾向が見られた犬は
いずれも家庭犬として飼われることになり、猟犬としての繁殖には使われません。

というのが答えなのですけど。

ご質問の最後に「日本では多くが捨てられます」という一言がありましたが、
これは「捨てられる=遺棄される、殺される」あるいは「手放されてだれか別の人に譲られる」の
どちらかを意味すると思うのですが、その差は大きいです。

まずは試験のために自身でトレーニングした犬を遺棄することはありません(し、もちろん遺棄は法律にも反します)が、
経済的・環境の面などから複数頭の飼育が難しい場合、実猟に使えない犬を家庭犬として別の人に譲ることはあります。



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※ガンドッグとは・・・鳥猟犬全般のことを指します。 セッターやポインター、スパニエル、レトリバー種など。

2016年4月12日火曜日

やさしい 「犬の遺伝学」セミナー2016無事終了


4/9(土)に「犬の遺伝学」セミナー2016を開催し、無事終了致しましたことご報告致します。
今年も沢山の方々(と犬達)にご来場頂き、誠にありがとうございました。
講師の尾形聡子さん&アルシャー京子さんをはじめ、
今回のセミナーに携わって下さった全ての皆様(と犬達)に、改めてお礼を申し上げます。


今年はやさしい「犬の遺伝学」というテーマながら、
初めて聞くような言葉も出てきたので、難しいと感じる方も多かったようです。
分かりやすく説明することが難しい「遺伝」というテーマですから、それを短い時間内でまとめ
お話い頂いていることが、そもそもハードルが非常に高いことだったりするのですが・・・。
講師のお二人共、とてもご多忙な中、ギリギリまで資料を作ったり調整して下さいました。
なるべく噛み砕いてお話頂いているものの、理解が追いつかない所もあったかもしれませんが、
知らないことを知ることが、セミナーの目的でもあり、それに刺激を受けたり
そこから新たな疑問が出てきたり理解を深めたり、考えるという事に意味があるのではないかなと思います。
個人的には、難しくも興味深く、面白く、もっともっと勉強しなきゃ!と感じた内容でした。


今年は、アルシャー京子さんからのご提案で、
講師のお二人によるトークセッションの時間を設けさせて頂きました。
講義とはまた違った空気感でお話が進み、お二人の講義の内容の続きから話が多岐に及んでいました。
質疑応答の時間には、次々に手が挙がりご質問頂いていました。
時間切れで質問できなかった方、申し訳ございません。
アンケートにご記入頂いた質問に関しましては、
後日、講師陣より回答頂けましたら、このブログにてQ&Aという形でUPする予定です。
(回答については、気長にお待ち頂ければ幸いです。)


当日の会場内には約30頭程の犬達が集まっていたにも関わらず、とても静かでした。
ゴミを捨てて帰る人もおらず、トラブルもなく滞りなくスムーズに終えることが出来ました
講師のお二人の各持ち時間が45分だったこともあり、
資料を随分削ってもらったものの、時間が足りず話が及ばない内容もかなりあったそうです。
また来年も、お二人をお招きして開催できるようでしたら、
今回時間が足りずに話が及ばなかった所も含めて、お話し頂ければと思っています。
アンケート結果を拝見して、「遺伝」というテーマついて、興味を持って下さり
ためになった。もっと知りたい。と感じて下さった方が、
昨年より増えたような印象も受けました。
遺伝ついては犬と暮らしている以上、誰もが無視できないテーマなのだと感じましたが、
遺伝について知った所で・・・と、思う人が大半なのが、現状だと思います。


昨年も今年も、犬同伴可(参加条件有り)で開催していますが、
完全に人の座学だけの場に、犬同伴可で参加できるというスタイルは、
なかなか、お目にかかれない光景ではないかと思ってます。
館内写真撮影禁止の為、その光景がお見せできないことが残念ではありますが、
参加条件を満たして、お利口に参加してくれる犬達の存在は素晴らしく、
後ろの席から講義を聞きつつその光景に、地味に感動していました。
中型・大型犬と一緒に参加してくださる方が多かったですが、
横浜市動物愛護センターの視聴覚室の空間が広いということもあり、
スペースに余裕がある点が、犬同伴可とできる理由の一つです。
(スライドの見えやすさの関係で、若干詰めて座席をセッティングせざるを得ないのですが・・・)
また、数頭ですが体にハンデを背負っている犬達も会場に来てくれていました。
その姿を見て、改めて考えさせられるものがありました。


セミナーが終わって帰る道すがら、今日の内容の感想とか会場で感じた事などを、
一緒に帰った方と話しながら帰りましたが、話が尽きませんでした。
きっと皆さんの中にも、今回のセミナーで思った事や感じたことを話したり、
考えたりしながら、帰られた方がいるのではないでしょうか。
こういった話題が 周囲の人との間に少しでも上がれば良いと思いますし、
知ったことで何か考えざるを得ないような、
とても余韻が残る内容のセミナーだったように思います。

セミナー後にご記入頂きましたアンケートを踏まえて、
(終了後、アンケート記入時間が足りなかった方もいらっしゃったようで、申し訳ございません。)
今後開催するセミナー等の活動が、より充実したものになるように活用させて頂く所存です。

セミナーに参加するために遠路はるばるお越し頂いた方、
朝早くからお待ち頂いた方、2年連続でご参加頂いた方、
チャリティーグッズをご購入頂いた方、寄付物資をお持ち頂いた方、
ボランティアアンケートに協力可と記載頂けた方、
お家に帰ってからブログ等にセミナーの感想をUPしてくださった方、
ありがとうございました。

今の所、年に一度の活動ペースではありますが、
サポートメンバーの皆様には、今後開催予定のイベント(セミナー)について、
詳細が決まり次第、メールにてご連絡させて頂く所存です。
今後とも、どうぞよろしくお願い致します。



↑ 記念撮影後、講師お二人の横にちゃっかり満面の笑みで映り込む、家族募集中のサラちゃん(仮名)。
  私の予想に反して楽しかったようです。サラちゃんに興味のある方はコチラのNo,379をご覧下さい。